歯科の精密鋳造って?

鋳造 = 型(空洞)の中に溶けたものを流し込み固めるテクニック

入れ歯 = 虫歯や失った歯を人工的に作って、歯や口の働きの代わり(食べたり、話たり、顔貌整えるなど)をする。
歯科鋳造 = 歯の形をロウなどで形作り、砂の中に埋めて固め、中のロウを溶かして空洞にして、そこに金など流し込む。
歯科精密鋳造 = 口の中でミクロン単位でフィットすることができるテクニック。複雑な形に応用でき、歯科以外の分野でも盛んに用いられている技術。


【歯科精密鋳造の歴史】
 鋳造技術の歴史は、青銅器などに代表され、大きな鎌倉の大仏やいろいろな材料による容器など、その古から応用されてきた身近な技術で、歯科精密鋳造は、精度において最も代表的な技術のひとつ。

1) 歯科鋳造は、114年前(1906年11月)、シカゴのタッガート(Dr. William H. Taggart DDS)が、金の詰め物を鋳造で作製したことに始まる。
2年後の1909年 レーン(Dr. J.G.Lane)が鋳型材(石英埋没材)による鋳造の変形量(収縮・膨張)の補償、雌雄の型に合わせる適合技術について発表した。

2) 歯科の精密鋳造とは米国のホーレンバック(Dr. George M. Hollenback)が、鋳型材(クリストバライト材)の改良などにより鋳造の科学的裏付けを行い、John E. Rhoads, LLoyd Baumらと共に、“Science and technic of the cast restoration”を発表した。
今日の歯科修復物の歯のプレーパレイション(形成)から研摩、セメンテイション(合着)に至る精密な適合システム化を行い、その一環で鋳造システムの真空撹拌・埋没の技術は歯科精密鋳造の基礎となり、現在も世界中で行われいる。

3) 歯科チタン鋳造は、歯科診療保険(冠)にも採用されているが、このチタン鋳造技術は、歯科チタン学会始め日本歯科理工学、各学会における研究開発された日本歯科界が発信した世界の技術でもある。
上顎の総入れ歯に用いられるチタン金属床は軽く、食感、健康的な最も良質の入歯のひとつである。
〔敬称略〕

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